イギリスのEU離脱問題に揺れる世界経済とその結末

イギリス国旗


6月23日(今週木曜日)、イギリスでは、イギリスがEU(欧州連合)から離脱するべきか?それとも、残るべきか?の是非を問う国民投票が実施されます。

市場関係者の間では、ブレグジット(Brexit)とも呼ばれ、株式投資を行っている個人投資家の方々にとっても、ここ数週間耳にタコができる程聞かされたのではないでしょうか?

今日は、結果の判明まで1週間を切ったブレグジット(Brexit)問題を取り上げてみたいと思います。

この記事の目次

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イギリスのEU離脱問題は1970年代から存在する?

握手


驚かれる方も居らっしゃると思いますが、実はイギリスのEU離脱問題は、1970年台に遡ります。

1973年、全世界を混乱に陥れたエネルギー危機が訪れます。日本では、第一次オイルショックとも言われていますね。欧州でも、頭の痛い経済問題のひとつとして問題視されていました。こうした状況の1973年、イギリスはEUの前進であるるECC(欧州経済共同体)に加盟を決定しました。

しかしながら、国内にはEECからの離脱を求める声も強く、1975年にEECからの離脱をめぐって国民投票が実施されています。この時には、EECとの交渉もあり残留が決定して今日に至っています。

イギリスでEU離脱が叫ばれるようになった理由

近年、イギリス国内でEUからの離脱を声高に叫ばれるようになった理由は大きく2つあります。

EUからの負担金に対する不満が高まる

不満を抱えた男性


まず挙げられるのが、EUがイギリスに対して支払いを要求している巨額の負担金が挙げられます。

EUは、加盟国27ヶ国に対して、欧州連合の議会や執行機関を運営する為の財政負担金を求めています。この負担金ですが、経済の強い国(ドイツ、イギリス、フランスなど)にはより多くの負担金を、経済の弱い国(マルタ、エストニア、キプロスなど)には少ない負担金を要求しています。

こうして集めた負担金を再分配することによって、EUという巨大な組織を運営しているというわけですね。この負担金に関して、拠出額に対して見返りが少ないのではないか?と疑問・不満を持つイギリス人が増えてきたのが、EU離脱派の主張の一つとなっています。

ギリシャの債務危機勃発の際にもこうした意見が欧州各国から巻き起こりました。要は、「自分達の税金で、なんで他国に再分配をする必要があるの?なんで援助する必要があるの?」という理屈ですね。

止まらない移民の流入

欧州に流入する移民
出展:情報速報ドットコム

イラクやシリアの一部の地域は、今だISISが実効支配する地域が存在しています。こうした中東地域から、地中海を渡り、またはギリシャを経由して、欧州各国には数十万人とも、100万人とも言われる難民が押し寄せています。

こうした難民の大半は、EUの中でも経済的に裕福なドイツやフランス、そして社会保障も手厚いイギリスを目指して移動しています。

イギリスには既に30万人規模の難民が流入していると言われていますが、こうした難民の影響でイギリス国内の低賃金労働者が職を失っていると言われています。

EUに加盟している各国にはEU法という法律が適応されますが、EU法では難民・移民の受け入れ拒否する事は不可能。大量の移民は自国民の雇用を脅かすという恐怖がEU離脱派の二つ目の主張となります。

イギリスはEUを離脱するのか?

果たしてイギリスはEUを離脱するのでしょうか?個人的な見解としては、イギリスはEUに留まると見ています。理由は大きく2つ。

金融センター壊滅の可能性

為替市場


仮にイギリスがEUを離脱するとなった場合、欧州の一大金融センターとして発展してきたロンドンの金融街(シティ)が壊滅する可能性が非常に高いでしょう。

ロンドンの金融センターは、全世界の為替取引の41%、店頭デリバティブ取引の49%の市場シェアを誇ります。

仮にイギリスがEUを離脱するとなった場合、EU内を自由に行き来できる制度も失われてしまいます。そうなった場合、モルガン・スタンレーやHSBC、ドイツ銀行やJPモルガン、クレディ・スイス・グループやゴールドマンサックスといった世界的な銀行(投資銀行)も、EU内での業務に支障が出ることを恐れ、ロンドンからEUの他の国(ルクセンブルクやブリュッセル周辺を考えている企業が多いようですね)へ拠点を移す事となるでしょう。

このような状況に陥れば、イギリス国内での金融関連の雇用は失われてしまう上に、ロンドンでの為替取引や店頭デリバティブ取引の市場シェアも徐々に失われていくことになるのは想像に難しくありません。

安全保障場の理由

ミニチュアの兵士


イギリスがEUを離脱した場合、イギリスにとって安全保障面でもマイナスの影響が出てくると予想されます。

近年、ウクライナ問題で対立するロシアとの間では、EUという枠組みは非常に大きな抑止力として機能してきました。軍事的にはNATO北大西洋条約機構が存在しますが、イギリスの安全保障を担保する上ではNATOだけでは不十分とする意見が強いのも事実となります。

EU残留を選択も、EU崩壊の可能性は高まったまま

ユーロ


こうしたことから考えても、イギリス国民は最終的にEUに留まることを選択するだろうと考えています。

結果、為替相場で円高方向に傾いている円相場、リスクオフの流れが続いている日経平均株価は反発を見せる事となるでしょう。

しかしながら、矛盾を抱えたままのEUという巨大組織自体の崩壊の可能性は高まったままの状態です。

この辺に関しては、また機会があれば書いていこうと思います。

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